量子コンピューティングソフトウェアのグローバルリーダーであるClassiq Technologies(クラシック)と、台湾で約40年にわたりファクトリーオートメーション(FA)や先端製造装置を展開するKenshoは、台湾市場における量子ソフトウェアの普及と導入拡大を目指す市場開発パートナーシップ契約を締結しました。
世界最高峰の半導体エコシステムを有する台湾において、ハードウェア環境の整備が進むなか、実用的なアプリケーション開発を支える「ソフトウェア基盤」の導入が本格化します。
パートナーシップ締結の背景と狙い
台湾は世界をリードする半導体産業と先端研究開発の集積地であり、次世代計算技術である量子コンピューティングへの関心が非常に高い地域です。近年では量子ハードウェアへのアクセス環境が整いつつあるものの、産業現場での実用化(ユースケース創出)には高度な量子ソフトウェアと専門知識の架け橋が欠かせません。
今回の提携では、Kenshoが長年培ってきた台湾現地での強固な顧客ネットワークと、Classiqが誇るハードウェア非依存の量子開発プラットフォームを融合。政府機関、研究機関、主要企業に対するプラットフォーム導入支援をはじめ、現地でのトレーニングやサポート体制を構築します。
主な対象分野と共同R&Dの展望
提携の初期段階では、特に以下の領域に注力してアプローチを進めます。
- 化学・材料分野:新素材開発や分子シミュレーションの高速化
- 防衛・安全性向上:複雑なデータ解析や暗号化関連技術の検証
- 産業最適化:サプライチェーンや大規模ロジスティクスの最適化問題
また、両社は単なるライセンス提供にとどまらず、台湾現地における量子アプリケーションの共同研究開発(R&D)の可能性についても継続的に検討していく方針です。
ハードウェアに依存しない「Classiqプラットフォーム」の強み
Classiqの量子開発プラットフォームは、高レベルの機能モデルを入力することで、各種量子ハードウェア上で実行可能な最適化された量子回路を自動生成します。
【Classiqプラットフォームの主な特長】
- ハードウェアフリー(Hardware-agnostic):特定の量子デバイスやクラウド環境に固定されず、「一度設計すれば多様な環境へ展開」が可能。
- 自動回路合成・メモリ最適化:ゲートレベルの泥臭い設計を自動化し、開発コストの削減とコードの高速化を実現。
- 専門知識のブリッジ:ドメイン専門家(化学者やエンジニア)が、量子低レイヤーの専門知見を持たずにアプリ開発へ参入可能。
両社トップからのコメント
Kensho 会長 Fu-Hsin Hsiao氏:
「台湾では量子ハードウェアの利用環境が整いつつありますが、実用的なアプリケーションを開発するためにはハードウェアだけでは十分ではありません。Classiqは専門知識を量子アプリ開発につなげるソフトウェア基盤を提供しており、お客様が技術評価から実開発へと進むための一貫した支援が可能になります。」
Classiq 共同創業者兼CEO Nir Minerbi氏:
「台湾は世界をリードする半導体産業と高度なR&D力を兼ね備えています。Kenshoの深い市場知見と豊富な経験を通じ、現地の充実したサポート体制を整え、お客様が多様な環境で活用できる量子ソフトウェアの開発を支援していきます。」
SEMICON Taiwan 2026 でのデモ展示も決定
両社は、台北で開催される世界最大級の半導体展示会「SEMICON Taiwan 2026」において、本パートナーシップの取り組みを出展・紹介します。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| イベント名 | SEMICON Taiwan 2026 |
| 会場 | 台北南港展覧館 1館 1階(Nangang Exhibition Center, Hall 1) |
| ブース番号 | K2483 |
| 展示内容 | Classiqによる量子開発プラットフォームのライブデモンストレーション、Kenshoによる現地企業・機関向け相談窓口の開設 |
まとめ:ハードとソフトの両輪で加速する台湾の量子エコシステム
半導体受託製造(ファウンドリ)の世界的大国である台湾が、量子コンピューティングの領域においても存在感を高めています。製造・ハードウェア強国である台湾市場に、Classiqの最先端量子プログラミング基盤が参入することは、アジア太平洋地域全体の量子エコシステム発展における重要なマイルストーンとなるでしょう。
Quantum Plusでは、今後もClassiqをはじめとするグローバルな量子テック企業の動向と、アジア市場における実用化の最前線を追っていきます。
※本記事はClassiq Technologies Ltd.が発表したプレスリリースを基に作成しています。詳細や最新情報はClassiq公式サイトをご参照ください。