建設コンサルタント大手のパシフィックコンサルタンツ株式会社と、量子・古典ハイブリッド技術を提供する株式会社JIJ(ジェイアイジェイ)は、社会インフラ分野における複雑な課題解決を目的とした共同の概念実証(PoC)を2026年7月より開始したことを発表しました。
本取り組みでは、JIJが提供する数理最適化クラウド「JijZept(ジェイアイセプト)」を活用し、防災・インフラ投資計画をはじめとする社会インフラ分野の最適化問題に対する技術的実用性を検証。将来的な量子技術(量子アニーリングや量子ゲート型等)の導入も視野に入れた、持続可能な社会インフラづくりのイノベーションを目指します。
背景:激甚化する災害と老朽化するインフラ、高まる「複雑な意思決定」の難易度
日本国内では近年、気候変動に伴う大規模災害の頻発化・激甚化や、高度経済成長期に整備された社会インフラの急速な老朽化が大きな社会課題となっています。
限られた予算・要員・時間といったリソースの中で、最大限の効果を発揮する「防災・減災計画」や「インフラ更新・投資計画」を立案するには、膨大な変数や制約条件を同時に考慮しなければなりません。
従来の人手や単純なシミュレーションでは、組み合わせの爆発によって真の「最適解」を導き出すことが極めて困難であり、高度な計算技術による意思決定支援が強く求められていました。
PoCの概要:数理最適化プラットフォーム「JijZept」で課題解決へ
こうした課題に対し、長年インフラ整備の計画・設計を手掛けてきたパシフィックコンサルタンツの知見と、最先端の最適化ソリューションを提供するJIJの技術力を融合。
本PoCでは、防災分野やインフラ投資計画における課題を「数理最適化問題」として定式化し、JIJの主力プロダクトである数理最適化プラットフォーム「JijZept」を用いて計算精度や実用性の検証を行います。
■ 本PoCにおける主な検証内容
- 最適化モデルの構築: 防災計画やインフラ投資計画における多種多様な制約条件・コスト・効果を数理モデル化。
- 実用性の評価: 「JijZept」を用いた実データレベルでの計算パフォーマンスおよび解の妥当性の検証。
- 量子技術適用へのロードマップ策定: 現在の古典最適化ソルバーによるアプローチから、将来的な量子技術(量子コンピュータ等)の活用を見据えたアーキテクチャの評価。
量子技術の活用を見据えた将来展望
数理最適化分野において、ハードウェア・ソフトウェアの両面で急速に進化を遂げている「量子技術」は、これまでにない超並列処理によって超大規模・複雑な問題の解決をもたらすと期待されています。
本PoCでは、単に現在の古典アルゴリズム(JijZept上の古典ソルバーなど)による最適化にとどまらず、将来的に量子ハードウェアが進化・実用化した際にもスムーズに移行・連携できるような基盤づくり(量子・古典ハイブリッドアプローチの検証)を進めていくとしています。
両社は本検証を通じ、社会インフラの持続可能性を高めるとともに、最新のデータサイエンス・量子技術を活用したイノベーションを推進していく方針です。
両社概要
■ パシフィックコンサルタンツ株式会社
1951年創立の建設コンサルタント大手。都市、建築、道路、港湾、河川、上下水道などの社会インフラ整備やまちづくりの計画・設計・運用において豊富な実績を持つ。「未来をプロデュースする」をビジョンに掲げ、持続可能な社会の実現に取り組む。
・所在地:東京都千代田区神田錦町三丁目22番地
・代表者:代表取締役社長執行役員 大本 修
・Webサイト:https://www.pacific.co.jp/
■ 株式会社JIJ(ジェイアイジェイ)
2018年11月設立(旧・株式会社Jij)。量子技術および古典アルゴリズムを組み合わせたハイブリッド技術を活用し、企業向けに数理最適化ソリューションやクラウドサービス「JijZept」を提供。
・所在地:東京都港区芝浦三丁目3番6号 INDEST 403
・代表者:代表取締役CEO 山城 悠
・Webサイト:https://www.j-ij.com/ja/
(記事出典:PR TIMES パシフィックコンサルタンツ株式会社 プレスリリースより)