編集部の視点
今週の量子技術動向を俯瞰すると、基礎研究・技術開発のステップから、「社会実装に向けたソフト基盤・標準化の整備」および「アジア圏におけるエコシステム拡大」へと着実にフェーズが移行していることが窺えます。
特に注目すべきは、エコシステムの“基盤構築”に向けた多角的なアプローチです。理化学研究所の「JHPC-quantum」プロジェクトにおけるQunaSysの「QURI SDK Enterprise」採用や、大阪大学QIQB「OQTOPUS」とQubitcoreの共同研究など、国内の主要研究機関とスタートアップによるソフトウェア階層の連携が強まりを見せています。さらに、人材育成の指標となる「量子プロフェッショナル標準(QSS-P)ver.1.0」の策定・公開や、エー・スター・クォンタムの「Forbes Asia 100 To Watch 2026」選出は、産業層の厚みとスタートアップの国際的評価の高さを示しています。
ハードウェア面でも、日立によるシリコン量子コンピュータ基盤技術の開発やイオントラップ方式における低温電圧制御の実証など、着実なスケーリング技術が進展しています。これらに加え、Classiqによる台湾市場への怒涛の提携ラッシュに見られるように、アジア諸国を巻き込んだ量子ソフトウェアの普及戦術も本格化してきました。
実機開発・ソフト開発・人材育成・標準化が互いに補完し合い、量子技術がより現実的な産業エコシステムへと変貌を遂げつつあることを実感させる1週間となりました。
提携・協業(4件)
- 9月1日 Qubitcore、大阪大学QIQB 「OQTOPUS」チームと共同研究を開始
- 9月3日 Classiq Technologies Ltd. ScientekとClassiq、台湾における量子ソフトウェアの普及・活用加速に向けて提携
- 9月3日 Classiq Technologies Ltd. ScientekとClassiq、台湾における量子ソフトウェアの普及・活用加速に向けて提携
- 9月3日 Classiq Technologies Ltd. KenshoとClassiq、台湾における量子ソフトウェアの普及・活用に向けて提携
人事・組織(4件)
- 9月3日 エー・スター・クォンタム、「Forbes Asia 100 To Watch 2026」に選出
- 9月3日 東京大学 武田俊太郎准教授が解説、Webセミナー「光量子コンピュータ 開発の世界動向」を9月18日に開催、申込受付中
- 9月3日 QunaSysの量子ソフトウェア開発キット「QURI SDK Enterprise」を理化学研究所が「JHPC-quantum」プロジェクトにて採用
- 9月3日 QunaSys QunaSysの量子ソフトウェア開発キット「QURI SDK Enterprise」を理化学研究所が「JHPC-quantum」プロジェクトにて採用
その他(3件)
- 9月1日 QunaSys 9月25日(金)11:00~:「分析の価値は“測る前”で決まる」分析設計とPhysiLenzをテーマにしたウェビナーを開催
- 9月2日 量子技術の社会実装を担う人材の共通言語「量子プロフェッショナル標準(QSS-P)ver.1.0」を策定・公開
- 9月4日 疑似量子アニーリング技術を活用した自動倉庫における出庫計画算出の基盤技術を共同で確立
研究成果(2件)
製品・サービス(1件)
- 9月2日 夢の「最強計算機」が実用化へカウントダウン。医療・通信・金融・AIはどう変わるのか?〈PLUS:量子コンピューター入門〉『量子コンピューター最前線』ニューズウィーク日本版9/8号は好評発売中!
本ダイジェストは、当編集部が巡回している発信元RSS(企業・大学・研究機関・政府)から、量子技術に関連する発表を機械的に収集し、週単位でまとめたものです。収集対象の網羅性は保証されません。各項目のリンク先は発信元の原文です。