編集部の視点
先週の量子技術動向を振り返ると、「材料開発などの産業課題解決に向けた公的支援の加速」と「大規模シミュレーションおよびセキュリティ基盤の現実的な前進」という、実用化の階段を確実に登る動きが目立った1週間でした。
公的支援の領域では、NEDOの量子懸賞金事業において全固体電池材料の評価技術開発が第二期に採択されたほか、QunaSysのメンバーが参画するチームKvNが三井物産スポンサー賞を受賞するなど、次世代バッテリーをはじめとするマテリアルズ・インフォマティクス(MI)分野での量子優位性獲得に向けた挑戦が具体的な成果・フェーズへと進んでいます。
計算インフラと基盤技術においては、NVIDIAが独ユーリッヒ・スーパーコンピューティング・センターにおいて、誤り耐性量子コンピューティング(FTQC)の記録的なシミュレーションを実行したと発表。古典スパコンを活用した大規模シミュレーション技術の向上は、実機のハードウェア設計や耐量子アルゴリズム検証を大幅に前進させる追い風となります。
さらに、セゾンテクノロジーが国内基幹ファイル連携ミドルウェア「HULFT」における耐量子計算機暗号(PQC)対策の強化を発表した点も見逃せません。企業実務のインフラレベルで耐量子への移行が着実に組み込まれ始めています。外交・国際対話(OptQCの日豪対話参加)やビジネス推進サービスの台頭を含め、エコシステム全体の成熟度が一段と高まった1週間となりました。
政策・公的支援(2件)
- 10月19日 QunaSysメンバー参画のチームKvN、NEDO量子懸賞金事業で「三井物産株式会社スポンサー賞」を受賞
- 10月22日 量子コンピュータを用いた全固体電池材料の評価技術開発がNEDO量子懸賞金事業第二期に採択
人事・組織(2件)
- 10月20日 OptQC代表取締役CEO高瀬、「第1回日豪リーダーシップ対話」に参加
- 10月21日 セゾンテクノロジー、ファイル連携ミドルウェア「HULFT」ファイル連携時のデータ完全性に耐量子計算機暗号化対策を強化
その他(2件)
- 10月20日 NVIDIA、ユーリッヒ スーパーコンピューティング センターで誤り耐性量子コンピューティングの記録的なシミュレーションを実行
- 10月21日 【来場登録受付中】第16回おおた研究・開発フェア–AIや宇宙、量子技術、レアアース泥開発など、最先端技術と出会う2日間
製品・サービス(1件)
本ダイジェストは、当編集部が巡回している発信元RSS(企業・大学・研究機関・政府)から、量子技術に関連する発表を機械的に収集し、週単位でまとめたものです。収集対象の網羅性は保証されません。各項目のリンク先は発信元の原文です。