AIで異常や劣化を「見つける」時代から、具体的に「どう手を打つか」を自動で「決める」時代へ——。
エッジAI技術を強みとする株式会社QuantumCore(クォンタムコア)は、異常検知や劣化診断の“その先”にある複雑な計画業務を最適化するソフトウェア「QUBO Studio」の提供を開始しました。
点検・補修のスケジュール、配送ルート、人員シフトなど、現場における「どこを・誰が・いつ・どの順で」という意思決定を業務の言葉や表データから自動で最適化し、さらに“その計画に至った根拠”まで提示してくれる新世代の組合せ最適化ツールです。
「見つけた」あとの現場を悩ませる「決める」という難題
近年、AIによる設備の異常検知や劣化診断技術は急速に普及しています。しかし、異常が見つかった後に「現場の限られた予算・人員・時間の中で、どの場所からどのような順番で対処すべきか」という計画づくりは、今もなお担当者の経験や複雑な表計算ソフト(Excel等)に依存しているのが実情です。
例えば、訪問先がわずか20か所であっても、その巡回順序は約243京通りにも達します(組合せ爆発)。ここに「作業能力の上限」「夜間施工の可否」「対応期限」「車両容量」といった複雑な制約が絡むことで、最善の計画を導き出し、関係者にその理由を説明することは非常に困難でした。
社会インフラの老朽化に伴い点検・補修作業が増大する一方で、現場の担い手や予算は限られています。こうした課題を打破すべく登場したのが「QUBO Studio」です。

「QUBO Studio」が誇る4つの画期的な特長
1. 業務の言葉と表データから、意思決定をサポートする4ステップ
QUBO Studioは、現場の複雑な課題をわずか4つのステップで実行可能な計画へと変換します。
- 言葉で伝える:自然言語で課題を入力し、CSV/Excel/JSONの業務表データを取り込み。豊富なテンプレートとウィザードで整理をサポート。
- 条件を設計する:変数や目的関数、制約条件を可視化。数式やQUBO行列のヒートマップを見ながら調整可能。
- 解を探索する:古典ソルバー、量子アニーリング(SQAシミュレータ/D-Wave実機API接続)、ハイブリッド、並列アニーリングの4系統から自動または手動で選択。
- 比べて決める:「予算重視」「安全重視」「バランス型」といったシナリオ別の候補をKPIやガントチャート、地図上で比較。「なぜその計画か」の根拠をパレート図などで可視化し、PDFやMarkdownでレポート出力可能。
作成した一連の解析フローはノーコードのワークフローとして保存でき、チームでの共有や再利用も容易です。

2. QuantumCoreの「エッジAI」とのシームレスな連携
最大の特長は、同社の強みである「エッジAI」との融合です。
- 約10秒の正常データからマイコン上で学習する「後付け異常検知デバイス」
- 押し当てるだけで非破壊診断を行う「コンクリート劣化診断デバイス」
これらのエッジAIが現場で捉えた状態・診断結果をデータとしてQUBO Studioに直接渡し、リアルタイムな制約条件として計画に反映。「見つける(エッジAI) ➔ 決める(QUBO Studio)」という一連の循環をひとつの基盤で実現します。
3. エッジ向け最適化コア「BOLT-QZ」による現場での再計算
QUBO Studioで設計した最適化モデルは、マイコン等への組み込みを想定したエッジ向け最適化コア「BOLT-QZ」(特許出願中)に組み込むことが可能です。
リザバー計算技術を応用したBOLT-QZは、乗算を使わない整数演算とオンライン学習機能を備えており、現場環境の変化に応じて「機器単体(ローカル)で計画を描き直す」という先進的な運用を可能にします。
4. SaaSとオンプレミス(AI Box)の柔軟な提供形態
クラウド上で手軽に導入できる「SaaS型」に加え、構内に設置する「オンプレミス型 AI Box」の提供も想定されています。外部接続を行わない構成にすることで、機密性の高い現場データを社外に出すことなく運用が可能です。
多彩な活用シーンと13種類の業務テンプレート
QUBO Studioには、導入後すぐに使える13種類の業務テンプレート(および1つのベンチマーク)があらかじめ用意されています。
| 想定業務 | 「決める」課題 | 確認できる結果・KPI |
|---|---|---|
| インフラ点検・補修計画 | 限られた予算をどの区間に・いつ使うか | 期別実施案、事業費、予算執行率、リスク低減率 |
| 配送ルート最適化 | 配送先をどの車両でどう回るか | 車両別ルート地図、総走行距離、使用台数、モデルコスト |
| シフト作成・人員配置 | 必要人数と従業員の希望休の無理のない両立 | シフト表案、希望充足率、勤務偏り、モデル人件費 |
| ごみ収集計画 | 集積所をどの収集車でどう巡回するか | 収集ルート、積載重量、モデル収集コスト |
| 基板配置・配線探索 | 電子部品の配置による配線最適化 | 層別配線候補、経路長、ビア数、未配線状況 |
※このほか、生産計画、在庫配置、エネルギー配分、ポートフォリオ最適化などのテンプレートも搭載されています。
まとめ
これまで熟練者の勘や時間のかかる手作業に頼っていた「最適化・計画策定」を、AIとアニーリング技術で自動化・可視化する「QUBO Studio」。
単に「答え」を出すだけでなく、意思決定の根拠(「なぜその計画なのか」)を可視化・共有できるため、現場の納得感や意思決定スピードを劇的に向上させることが期待されます。現場のデジタルツインやDX推進を目指す企業にとって、強力なソリューションとなるでしょう。
詳細な仕様や操作デモ動画、導入のご相談については、株式会社QuantumCoreの公式Webサイトをご確認ください。