編集部の視点
今週の量子技術動向では、量子コンピュータの実用化と大規模化(スケーリング)に向けた、より具体的で実践的なハードウェア・アーキテクチャの検証と開発が大きく進展した1週間となりました。
特に注視すべきは、富士通とYaqumoによる中性原子型量子コンピュータ実機を用いた検証の開始です。近年世界的に注目を集める中性原子方式において、単なるハードウェア開発にとどまらず、実際の計算アーキテクチャや基本ソフトウェアの検証へと足を踏み入れたことは、実利用に向けた大きな前進と言えます。また、ダイヤモンドスピン方式において光接続による拡張を期待できるプロトタイプが開発されたことも、将来の大規模量子コンピュータ実現に向けた重要なブレイクスルーです。
エコシステムや社会実装の側面においても、Q-STARとPlug and Play Japanによるスタートアップ支援プログラムにQuemixが選出されるなど民間主導のスタートアップ育成体制が強固になりつつあります。さらに、経済産業省の動きに見られるように、AIセキュリティと並んで「耐量子暗号(PQC)への移行」が公的施策の実務領域として定着し始めています。
技術基盤のスケールアップと、それを支えるエコシステム・セキュリティ施策が同時に噛み合い、量子産業の解像度がより一層高まっていることを印象付ける動きとなりました。
企業(3件)
- 9月8日 大規模な量子コンピュータの実現に向け、光接続で拡張を期待できるダイヤモンドスピン方式量子コンピュータのプロトタイプを開発
- 9月9日 Yaqumoと富士通、量子コンピュータの実利用加速に向け、中性原子型量子コンピュータ実機によるアーキテクチャ・基本ソフトウェアの検証を開始
- 9月10日 富士通と中性原子型量子コンピュータを手掛けるYaqumo、量子コンピュータの実利用の加速に向け、実機による量子計算アーキテクチャや基本ソフトウェアの検証を開始
人事・組織(2件)
- 9月8日 【振替開催決定】大規模災害時の“水道復旧の長期化”課題に挑む「PUALIF 分散型防災拠点 フィールド実証プログラム」9月17日(木)に開催。
- 9月10日 株式会社テラスカイ Quemix、Q-STARとPlug and Play Japanによる「量子スタートアップ支援プログラム」に選出
政策・公的支援(1件)
本ダイジェストは、当編集部が巡回している発信元RSS(企業・大学・研究機関・政府)から、量子技術に関連する発表を機械的に収集し、週単位でまとめたものです。収集対象の網羅性は保証されません。各項目のリンク先は発信元の原文です。